日本人のコレステロール値は多少高くても大丈夫
コレステロールが高いということは生活習慣病につながるとして、良いことではないとされてきました。
一昔前までは世界の基準値を日本の医療でも採用し、高い場合には積極的に抗コレステロール剤を服用するなどして値を下げるようにされていました。
しかし、そんな治療が行われてしばらくたったころ、驚愕のデータが発表されたのです。
それは、日本人の場合、抗コレステロール剤を使ってコレステロール値を基準値内に抑えた患者の方が、何の治療もせず高いまま放置した患者よりも、経過中に心筋梗塞や脳梗塞で死亡したり重大な障害を残す確率が高かったというものでした。
それまでの治療法を根底から覆すような内容で、その原因には日本人の食習慣が深くかかわっています。
世界のコレステロール値の基準を作っているのは欧米のデータで、ご存知のように欧米での食べ物は肉食が中心で、日本人の魚食とは違いがあります。
結果として日本人ではコレステロール値が高かったとしても、善玉コレステロールが高くなっている場合が多いです。
これを無理やり薬で抑え込んでしまうと、善玉と悪玉のバランスが崩れ、日本人ではむしろ悪い結果を引き起こす要因となってしまっていました。
日本人はコレステロールを全く気にしなくていいのかというと、そうでもありません。
最近は食生活の欧米化がどんどん進んでいます。
コレステロールが高いと言われたら、善玉と悪玉のバランスがどうなのか、自分自身の食生活はどうなのかを十分に加味し、治療の適応となるのかを主治医と相談することが必要です。
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